Scene.4 これもまた

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「ち、ちがうっ!!雄一はわるくないもんっ。お、お姉さまが雄一のことなんにもしらないのにひどいこというからっ。お姉さまなんてもうきらいっ」 碧い瞳が美しい大きな眼からポロポロと大粒の涙を溢しながら、秋葉ちゃんは叫ぶように大きな声で気持ちをぶつけてきた。 やっと会えたお姉さんから投げ掛けられた言葉が余程悔しかったのだろう、秋葉ちゃんは両手をギュッときつく握りしめ、小さな身体をぷるぷると震わせている。 悔しさから出た言葉だろうとは思うが、その言葉はよくない。 俺のせいで、大好きなお姉さんに勢いで台詞を吐いて、これ以上仲違いさせるのは本当に好ましくないだろう。
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