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「お姉さまもわたしとおなじきもち……?」
俺の言葉を聞いた秋葉ちゃんは涙を一杯に湛えた大きな碧い瞳で俺を見上げて、信じられないと言った感じでそう言った。
確かに信じられないかも知れないが、間違いないだろう。
秋葉ちゃんの事が嫌いなら、俺が一緒に居ようが、あんなに嫌悪感剥き出しの目で俺を見てつっかかってくる事もないはずである。
さて、最後に一押し、おせっかいを焼くとしよう。
「そうだよ。でもね、このままじゃ本当にお姉さんと仲が悪くなって、お姉さんが秋葉ちゃんの事を嫌いならいになっちゃうかも知れない。そんなの嫌でしょ?」
俺を見上げる秋葉ちゃんの視線の高さに合わせて膝を折り、しゃがみ込んで秋葉ちゃんの涙で光るキレイな碧い瞳を真っ直ぐに見て俺は言葉を掛けた。
「イヤっ、そんなのヤダよぅ……」
俺の言葉に秋葉ちゃんは、凄く悲しそうな表情をうかべてそう答える。
「じゃあさ、お姉さんに謝ろうよ。きちんと自分の気持ちを言葉にして、ちゃんとごめんなさいってさ。俺も一緒に謝るから。お姉さんが許してくれないなら、許してくれるまで俺も一緒に謝るからさ。それで大好きなお姉さんと笑って楽しくお話ししようよ」
不安そうに俺の目を見つめ返す秋葉ちゃんの小さな頭を優しく撫でながら俺は笑顔でそう言ったのだった。
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