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無言のまりあちゃんを静かに見つめる。
秋葉ちゃんと仲直りさせたい以上、まりあちゃんの気持ちも知っておきたい。
「……しらない」
俯いてままのまりあちゃんが一言そう呟いた。
「まりあ?」
そんなまりあちゃんに小鳥遊が心配そうに声を掛ける。
「しらないしらないっ。あたしがしんぱいしてんのにあんなたいどをとるなんて、秋葉なんかもうしらないっ」
まりあちゃんは顔を上げ、まくし立てるように言い放った後、玄関のドアを開けて靴を履かないままで飛び出したのだった。
秋葉ちゃんそっくりの碧い瞳が綺麗な大きな目から涙をポロポロとこぼれていた。
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