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玄関を飛び出し、周囲を見回しながらまりあちゃんの姿を探す。
どこだ?どこに行った。
「まりあちゃん、まりあちゃん」
名前を呼びながら辺りを見回すと、近くに公園があるのが目に入ってきたのである。
何故かそこにまりあちゃんが居るような気がした俺は公園へと全力で駆け出した。
「まりあちゃん」
50メートルもない位の距離を一気に駆け抜け、まりあちゃんの名を呼びながら公園へと入る。
公園の中は静かだった。
ブランコや滑り台等の遊具で遊ぶ子供の姿はなく、時々吹く風が木々の枝を揺らす音が耳に入ってくる。
「まりあちゃん」
そんな静けさを打ち消すように大きな声で名前を呼び、キョロキョロと辺りを見回すと、公園の奥にある小さなベンチに座っているまりあちゃんの姿を見つけたのだった。
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