Scene.4 これもまた

78/78
1549人が本棚に入れています
本棚に追加
/307ページ
ベンチに座るまりあちゃんはがっくりと項垂れ、元気がない様子だった。 「まりあちゃん」 俺は名前を呼びながら、まりあちゃんが腰掛けるベンチへと駆け寄る。 「…………」 まりあちゃんは返事をせず、項垂れたままだ。 そんなまりあちゃんのすぐ目の前に立った時、俺はまりあちゃんの小さな肩が震えている事に気付いた。 「……まりあちゃん」 ぽろぽろと涙を足下へと落としながら、鳴き声を上げずに肩を震わせるまりあちゃんに声を掛けながら、俺は腰をおとし、視線をまりあちゃんに合わせた。
/307ページ

最初のコメントを投稿しよう!