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ベンチに座り、小さな肩を震わせながら俯き涙をこぼすまりあちゃんに話し掛ける。
「……まりあちゃん、ごめんね」
それに対しての返事はなかったが、尚も話を続けた。
「あのさ、俺は……」
「う、うるざいっ!!どっかいけ」
しかし、俯いて返事をしなかったまりあちゃんが急に顔を上げ、涙が溢れる大きな眼をこちらに向けて睨み付けるようにしながら放った言葉によって遮られる。
余程嫌われているらしい。
しかし、ここで引くわけにもいかない。
なんとしても話を聞いてもらい、秋葉ちゃんの本当の気持ちを聞いてもらわなくては。
「少し話したら、すぐに帰るからさ。だから少しだけ聞いて欲しい」
こちらを睨み付けるまりあちゃんに、なるべく優しい表情を見せて、ゆっくりとした口調で再び俺は話し掛けた。
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