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夕暮れに赤く染まる道を秋葉ちゃんと歩く。
「お姉さま元気そうでよかった」
秋葉ちゃんが明るい表情を浮かべてぽつりと呟いた。
「ほんとだね。渉も良い奴っぽいしよかったね」
俺がそう言うと、秋葉ちゃんは小さな手をさしだしてきた。
なんだろうか。
「どうしたの?」
秋葉ちゃんを見てそう言うと、
「まったく雄一はまだまだダメね。ちゃんと、れでぃをえすこーとしないさいよね」
秋葉ちゃんは呆れた表情を浮かべて溜め息まじりにそう言った後、俺の手を掴んだ。
「しょうがないから、わたしが雄一をきちんとれでぃをまんぞくさせられるようなおとこにしてあげる。だから、これからもわたしといっしょにいなさい」
そして、秋葉ちゃんはそう言った後、小さな温かい手で俺の手を強く握ったのだった。
その時の秋葉ちゃんの顔は、夕陽に照らされてか赤く染まっていて、とても綺麗だった。
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