愛した者

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「あっ・・・ すまないフィア・・・。 でもお前には関係のないことなんだ、邪魔をしないでくれないか。」 「イテテ・・・ キルト!! あなたまさか、その人間の子を助けるつもり!?」 フィアにはしっかりとキルトの視線の先が見えていた。 そして、何をしようとしているのかも分かっていた。 「そんなことは私がさせない!! あなたも人間を助けた神がどうなるのか、よく知ってるでしょ!? 」 「そんなのは誰よりもよく分かってる!! これは俺の決断だ。横から口出しするな!!」 キルトは唇を強く噛みしめた。 彼の口のなかに少し血が滲んだが、キルトの口調には更に重みが増す。 「分かってるなら尚更よ!!私はあなたをレイラのようにはさせない。レイラが消えた日、そう誓ったのよ。あなたが愛した彼女は」 「黙れ!!」 キルトは怒り、フィアに向かって右手を振り払った。 すると、閃光のごとく光が一瞬またたいた。 「クッ 動け・・・ない。」 キルトは神の力を使い、フィアの動きを封じていた。
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