752人が本棚に入れています
本棚に追加
/164ページ
「隆太郎さんの嫌いな、人参沢山入れるからね」
「それは・・・ごめんなさい」
「分かればよろしい」
フフっと笑う舞。
土鍋を置いて、ギュっと抱きしめると、慌てる舞。
「どうしたの?」
「どうもしないよ」
二度と触れる事がないと思った舞。
柔らかくて、あったかくて、思わず涙ぐむ。
「ねぇ、本当にどうかした?」
「どうもしない。
お腹空き過ぎて、見てるもの全てが食べ物に見える」
そう言って、チュっとキスを落とす。
真っ赤になる舞。
「美味しい」
「変態っぽいよ、隆太郎さん」
「じゃ、早くご飯にして」
「離してくれなきゃ準備できない」
「リョーカイ」
舞から離れる。
ふと、今このまま離れなければ、ずっと二人で居られるんじゃないか・・・そんな気になった。
最初のコメントを投稿しよう!