2 オコタとみかん

5/17
752人が本棚に入れています
本棚に追加
/164ページ
「隆太郎さんの嫌いな、人参沢山入れるからね」 「それは・・・ごめんなさい」 「分かればよろしい」 フフっと笑う舞。 土鍋を置いて、ギュっと抱きしめると、慌てる舞。 「どうしたの?」 「どうもしないよ」 二度と触れる事がないと思った舞。 柔らかくて、あったかくて、思わず涙ぐむ。 「ねぇ、本当にどうかした?」 「どうもしない。 お腹空き過ぎて、見てるもの全てが食べ物に見える」 そう言って、チュっとキスを落とす。 真っ赤になる舞。 「美味しい」 「変態っぽいよ、隆太郎さん」 「じゃ、早くご飯にして」 「離してくれなきゃ準備できない」 「リョーカイ」 舞から離れる。 ふと、今このまま離れなければ、ずっと二人で居られるんじゃないか・・・そんな気になった。
/164ページ

最初のコメントを投稿しよう!