752人が本棚に入れています
本棚に追加
/164ページ
頭の中に靄がかかってるような、ハッキリとしない頭を振る。
「今日は、寒いからお鍋だよ」
キッチンから聞こえてくるのは、間違いなく舞の声。
二度と聞けないと思ったのに・・・あれ?何で、二度と聞けないなんて思ったんだ?
炬燵のぬくもりで、まだ頭が働かない。
「隆太郎さん、カセットコンロ準備しててね」
チラっと顔を出したのは、やっぱり舞。
ああ、舞だ。
「人使いが荒いね」
「働くもの食うべからずだよ」
炬燵から抜け出して、キッチンへと向かう。
戸棚の上に収納されているカセットコンロ。
「舞の身長じゃ、届かないもんね」
「失礼な!」
ぷぅっと膨れる舞。
ああ、舞だ。
最初のコメントを投稿しよう!