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湯気の向こうに舞がいる。
「隆太郎さん、冷めちゃうよ?」
どれくらい見とれてたんだろう。
怪訝な顔の舞。
「いただきます」
「召し上がれ」
舞のいつもの返しを聞いて、安堵する。
なんだ、舞が居なくなったのって夢だったんだ。
長い夢だったんだ。
コタツで寝ちゃダメだなって真剣に思った。
「美味しかった」
「お粗末さまでした」
フフっと笑って、食器を片づけ始めた舞。
「さ、働かざるもの食うべからず」
そう言って、自分の食器を台所に持って行き、洗い始める。
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