2 オコタとみかん

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湯気の向こうに舞がいる。 「隆太郎さん、冷めちゃうよ?」 どれくらい見とれてたんだろう。 怪訝な顔の舞。 「いただきます」 「召し上がれ」 舞のいつもの返しを聞いて、安堵する。 なんだ、舞が居なくなったのって夢だったんだ。 長い夢だったんだ。 コタツで寝ちゃダメだなって真剣に思った。 「美味しかった」 「お粗末さまでした」 フフっと笑って、食器を片づけ始めた舞。 「さ、働かざるもの食うべからず」 そう言って、自分の食器を台所に持って行き、洗い始める。
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