605人が本棚に入れています
本棚に追加
灰色の壁に近付くにつれてそれが何なのかはっきりとわかった
それは国を囲む防衛用の壁だった
何百年と使ってきたはずなのに壁は新品のように傷一つ付いていない
それはこの大国、ニニャータの強さを表しているのだろう
灰色の人がその壁の近くに行くと先に行っていた二人が人があまり行き交っていない大きな門の横で何やら二人の武装した門番と話していた
キリ 「だか……だっ………れや」
近付くとキリが怒鳴っていてミリアが宥めていることが分かった
キリ 「大……何でうちらが怪しまれなくちゃいけないんだよ」
やっと話しの内容が聞こえる距離になった
どうやら門番は自分達を怪しいと思いなかなか中に入れてくれないようだ
キリ 「ミリアも俺を宥めてないで何か言ってやれよ」
ミリア 「キリ、こんな格好では怪しまれるのは普通ですよ」
ミリアは急に話しを振られたにも関わらず焦らずにキリを論すように言った
キリ 「うっ、ならどうするんだよ」
流石にキリも分かったのか困ったようにミリアに質問する
ミリア 「それは………あっ、やっと来ましたね」
ミリアは少し考える素振りを見せたが後ろを見て考えるのをやめた
ミリアの後ろには無言の灰色の人がいた
灰色 「………」
灰色の人は二人にフードを取るように手で合図する
最初のコメントを投稿しよう!