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俺は頭を抑えて溜息をついた。
これからどうやって生きよう…。
奴隷の刻印も押されちまったし、金も無いし、ここら一帯に人の気配は無いし。
と、そこで何やらがさごそやってる姿が映った。
「何してんだよ」
「荷作り。そろそろ出ないと、あいつらが来ると面倒だわ。
ほら、今みたいに」
「は?」
「ヒィィィイイイイイイヤッホゥウウ!!
スミラの子よぉ、さっさと堪忍しろやぁ!!」
「ほら、出番よ」
「おいおい、本当に悪魔かよ。
ついてねぇ…」
といいつつ、身体能力上昇のバフをかける。
ついでに、対悪魔用の一つだけ覚えた詠唱魔法を無詠唱で掛ける。
「光の復讐…」
ヴヴ……、と体に青白い光の球がつきまとう。
この魔法は中級対悪魔用の魔法としては最高威力。
特に、近接系の人間にとっては、な。
光の球が相手に当たった瞬間、その場で天罰:落雷する。
こっちとしては、ただ近づいて攻撃してりゃ自然と触れるので、これ程便利なものはない。
こん時は拳闘術だな。
一番当たりやすい。
悪魔は、最下等の悪魔なんだろうな。
姿形がまんま悪魔だ。
思い切り前傾姿勢で突っ込んだ。
「あん?、なんだこいつぅお!!」
シュバッ!!、ズドンッ!!!
「グガッ!」
俺の身体能力上昇のバフは半端無いぜ?
5m位なら瞬時に詰められる。
体は鋼程硬く、拳は銃弾に当たった様に重い。
どこかの機械王国じゃ、拳銃の開発部が進んでるらしいぞ?
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