一本目:SOS

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俺は頭を抑えて溜息をついた。 これからどうやって生きよう…。 奴隷の刻印も押されちまったし、金も無いし、ここら一帯に人の気配は無いし。 と、そこで何やらがさごそやってる姿が映った。 「何してんだよ」 「荷作り。そろそろ出ないと、あいつらが来ると面倒だわ。 ほら、今みたいに」 「は?」 「ヒィィィイイイイイイヤッホゥウウ!! スミラの子よぉ、さっさと堪忍しろやぁ!!」 「ほら、出番よ」 「おいおい、本当に悪魔かよ。 ついてねぇ…」 といいつつ、身体能力上昇のバフをかける。 ついでに、対悪魔用の一つだけ覚えた詠唱魔法を無詠唱で掛ける。 「光の復讐…」 ヴヴ……、と体に青白い光の球がつきまとう。 この魔法は中級対悪魔用の魔法としては最高威力。 特に、近接系の人間にとっては、な。 光の球が相手に当たった瞬間、その場で天罰:落雷する。 こっちとしては、ただ近づいて攻撃してりゃ自然と触れるので、これ程便利なものはない。 こん時は拳闘術だな。 一番当たりやすい。 悪魔は、最下等の悪魔なんだろうな。 姿形がまんま悪魔だ。 思い切り前傾姿勢で突っ込んだ。 「あん?、なんだこいつぅお!!」 シュバッ!!、ズドンッ!!! 「グガッ!」 俺の身体能力上昇のバフは半端無いぜ? 5m位なら瞬時に詰められる。 体は鋼程硬く、拳は銃弾に当たった様に重い。 どこかの機械王国じゃ、拳銃の開発部が進んでるらしいぞ?
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