一本目:SOS

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閑話休題。 プスプスと黒い煙を出す悪魔は 、サラサラと粒子化して消えていった。 悪魔は討伐すると、今みたいに粒子化して跡形も無く消え去るのだ。 「…あなた、強いのね」 「まぁ、取り柄がこんくらいしか無かったんだよ。 ま、それはいいとして」 キュッと指先をこすり、バフと光の復讐を消す。 「俺金無いんだよね。 どうしようか…」 「金?、金目のものならあるわ。 さっき勿体無いから回収したの」 「うあー…、せこーい…」 「うるさいわね。私も生きてくためにはお金がいるの」 そういや、つんつららにならなければ普通の女って言ってたな。 ん?、何か気がかりが…。 スミラの…子……? スミラっていうのは、伝説的な召喚術師の名前だ。 ヌゴラスじゃいるって言われてるけど、伝承や記述は少ない。 それ程昔の人じゃないから、少ないのかもしれないけどさ。 彼は他の召喚術師と一線を画す。 まず、基本的な召喚量が違う。 一般的な召喚術師の可能召喚数は、小型なら300から400。 これはバットとか弱小モンスターも含む。 中型、例えばナイト(騎士系の召喚数は50くらい。 大型、例えば、龍とかなら、1体で来たらいいなぁぐらいだ。 だけど、スミラは違う。 なんせ桁が違う。 全ての桁を二つ、上げて欲しい。 お判り頂けただろうか。 彼は、悪魔との闘い、聖戦で、めざましい戦果を上げて、一躍有名になった。 かれが生きていた頃が一番勝てる見込みがあったと言われている。 その、スミラの子供…。 確かに彼なら精霊と出来そうだが…。 「…お前の親はどんだけVIPなんだよ。 スミラにアルセウスって…。 むしろ俺が平凡すぎて嫌になるわ」 「それも、私が狙われる理由の一つでもあるわ。 ま、あなたなら大丈夫よ。強いし、悪魔なんて問題ないわ」 「いや、いつまでもこんな弱いやつじゃないだろ。 とりあえず、船どっか無いかな」 「船なんて使わないわ。 リン、行くわよ」 「え?、嘘でしょ。 うぉあああああ!! ちょ!、誰か助か助けてええええ!!!」 リヴァイアサンの野郎…、思い切りスピード上げて泳ぎだしたもんだから、俺はGで思い切りふっ飛ばされたのだった。 因みにあいつは無事。 ったくよぉ、ついてねえなぁ。 全くさ。
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