56人が本棚に入れています
本棚に追加
だってさ、スポッて抜けたもん。
氷のお家から。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「あ!、ちょっと!!」
女の子が手を伸ばしても届かない。
今度こそそっちに行きそうだよ、母さん…。
そう思って目を閉じた瞬間。
ビキィ!
「イッ!!」
足が凍結された。犯人はもちろん女の子だ。
凍った足を見やる。
…ヤヴァいな。
このままじゃ足が凍死しちまう。
すでに足は青紫に変わってきていた。
「まったく、手間かけさせないで」
「ぬおッ!」
ゴシャ!!
いってぇ…。
頭を壁に思い切り打ち付ける。
ちょっとくらくらする…。
「アグニ、暖めて」
ヴォウフ
火の玉のような精霊が暖をとる。
俺の足を気遣ってくれてるみたいだ。
「ありがと、助かった」
「別に、私がリンをいきなり動かしたのが悪いんだし、気にすること無いわ」
そういってそっぽを向く女の子。
名前、聞こうかな。
「なぁ、名前は?」
「ハミル・トルスタージ。あなたは?」
「俺は…、ランス・アガレン。よろしく」
そういって手を差し出した。
最初のコメントを投稿しよう!