一本目:SOS

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だってさ、スポッて抜けたもん。 氷のお家から。 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」 「あ!、ちょっと!!」 女の子が手を伸ばしても届かない。 今度こそそっちに行きそうだよ、母さん…。 そう思って目を閉じた瞬間。 ビキィ! 「イッ!!」 足が凍結された。犯人はもちろん女の子だ。 凍った足を見やる。 …ヤヴァいな。 このままじゃ足が凍死しちまう。 すでに足は青紫に変わってきていた。 「まったく、手間かけさせないで」 「ぬおッ!」 ゴシャ!! いってぇ…。 頭を壁に思い切り打ち付ける。 ちょっとくらくらする…。 「アグニ、暖めて」 ヴォウフ 火の玉のような精霊が暖をとる。 俺の足を気遣ってくれてるみたいだ。 「ありがと、助かった」 「別に、私がリンをいきなり動かしたのが悪いんだし、気にすること無いわ」 そういってそっぽを向く女の子。 名前、聞こうかな。 「なぁ、名前は?」 「ハミル・トルスタージ。あなたは?」 「俺は…、ランス・アガレン。よろしく」 そういって手を差し出した。
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