一本目:SOS

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ハミル一通り笑疲れたのか、ふぅ、と一息吐いた。 俺は地べた(リンの背中に座り込みため息を吐いた。 俺はポーチから最後の携帯食料を取り出す。 …、最後の携帯食料。 「はむっ」 「うぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおい!!! 何してんの!?、人が名残惜しそうに見てるのに!! くそぅ!、腹減った……」 「何よ…、そんな大声出さなくても良いじゃない…。 ほら、食べ物ならあげるからこっち来なさい」 「ヒャッホゥウウ!」 わかりやすい奴…、と呆れられたけど、旅人に取って食は基本だぜ。 これまでの旅で嫌という程実感した。 あぁ…、あのおばちゃん、元気かな…。 俺がそんな遠い目で見ていると、肘でわき腹を刺された。 「ってぇな、なんだよ」 「別に、女を思い浮かべてる顔だったから」 「…それがどうして刺される理由に?」 確かにおばちゃんは女だったけど、飯をおごってくれた恩人だ。 「…恋人の顔でも浮かべてたの……?」 「は?、俺はそんなのいねえよ。 第一、魔法の勉強と道場に通いまくってて、そっちには手を出してる余裕なんか無えよ」 はぁ、恋愛の一つや二つはしてみたかったなぁ。 今思えば、灰色の青春だなぁ…。まだ18だけど。 「………、」 「いてっ!、なんだよ!、いたいっての!」 何故か殴ってくるハミルの腕を掴んで止めた。 「なんなんだよ一体。なんかしたか俺」 「知らないわよ。早く放しなさい、ご飯あげないわよ」 「へいへい」 変な奴。 ハミルについて、奥の空間へ。 そこには氷付けにされた魚や何かが沢山いた。 これ、どうやって食うの? 「あなた、魔法使えるんでしょ? 食べる分だけ解凍して焼きなさい」 ハミルは俺に掴まれた所をさっさ、と払う。 汚らわしい扱いを受けてる様な…。 まぁいいや、まずは飯だ。 一番デカい魚を掴み取り、そこらにあった串を無理矢理貫通させる。 そこから掌に炎を灯し、解凍していく。 それをじー、と眺めるハミル。 俺が振り向くとすぐにそっぽを向いた。 一応、視界に入ってるから、俺を見てるのはわかってるけどな。
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