一本目:SOS

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「へーっ、それで坊主は一人で旅を続けてるってのかい?」 「何回いわせんだこの酔っ払いが!」 ガーッハッハ!、と大声で笑うオッサンの声が甲板によく響く。 こんな酔っ払ってはいるが、一応船長みたいだ。 俺は、とある目的で世界を旅してる。 その目的ってのは、まぁ、言っちまえば人探しだ。 世界は広いし、その中でたった一人の人間を探すのはめっちゃ困難だと思う。 実際、この世界には70億近い人間がいる訳だから、その中から探すのは相当キツイ。 でもさ、母さんに約束しちまったからさ…。 必ず親父を同じ墓に埋めてやるってさ。 ま、暗い話はそこらへんにして。 その途中で、この船に乗った訳だ。 この船の行き先は、大陸:スクラカナム。 俺の居たコルデオッソと違って、エルフとかドワーフとか、亜人種って呼ばれる人達が多く集まる所だ。 それでいて、世界の橋役として、色々な交易品が多く集まる。 そして情報も。 そこに情報がある事を祈って、そこに向かってるんだ。
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