一本目:SOS

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「どうしてもこうしても無いわ。なるべくしてなったの。 あ、そうそう。実は私、悪魔に狙われてるのよ。 ちゃんと護りなさいね?」 「は?、どうして?」 「…はぁ、私がつんつららとしていられるのはほんの数時間。 それ以外は普通の女でしか無いわ。 でも、悪魔は私の力を欲しがってる。 私はまだ魔力的に不安定で、つんつららになれる時間はすくない。けれど、魔力をたっぷり持ってるあいつらが、私を手に入れたらどうなると思う?」 「そりゃあ、…どうなるんだ?」 わからんて。 ついさっきまで、つんつららってのは天災だと思ってたし。 まさか人間が起こしてるとは思わなかった。 「私は人間じゃないの」 違ったし…。 「私は、位で言ったら下等悪魔。 でも、他の悪魔には無い、氷の特権があるの。闇の、ではなくて、氷の、ね。 今まで闇の攻撃だけでも人間としては辛かったのに、氷まで含まれるとなると、一気に勢力図はひっくり返る。 悪魔が、この世の頂点に立つのよ」 「…なる程な」 確かに、今までも悪魔、という存在と人間は対立してきた。 悪魔が往来する土地を魔界と呼び、ある一線を境に対立している。 そのある一線は、人間の対悪魔砦でもある、聖国:ヌゴラス。 聖なる力を持って悪魔を抑えているというのに、一々障壁を展開させなければならない程のブリザードが吹けば、反撃すらできないだろう。 しかし、疑問がある。 「でも、お前は悪魔なんじゃないのか?」 「私を他のといっしょにしないで。 私は海神獣を従える、神の子なの。悪魔なんかに捕まってたまるもんですか」 「…じゃあ悪魔で例えんなよ」 悪魔だと思ったじゃねえか。
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