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「どうしてもこうしても無いわ。なるべくしてなったの。
あ、そうそう。実は私、悪魔に狙われてるのよ。
ちゃんと護りなさいね?」
「は?、どうして?」
「…はぁ、私がつんつららとしていられるのはほんの数時間。
それ以外は普通の女でしか無いわ。
でも、悪魔は私の力を欲しがってる。
私はまだ魔力的に不安定で、つんつららになれる時間はすくない。けれど、魔力をたっぷり持ってるあいつらが、私を手に入れたらどうなると思う?」
「そりゃあ、…どうなるんだ?」
わからんて。
ついさっきまで、つんつららってのは天災だと思ってたし。
まさか人間が起こしてるとは思わなかった。
「私は人間じゃないの」
違ったし…。
「私は、位で言ったら下等悪魔。
でも、他の悪魔には無い、氷の特権があるの。闇の、ではなくて、氷の、ね。
今まで闇の攻撃だけでも人間としては辛かったのに、氷まで含まれるとなると、一気に勢力図はひっくり返る。
悪魔が、この世の頂点に立つのよ」
「…なる程な」
確かに、今までも悪魔、という存在と人間は対立してきた。
悪魔が往来する土地を魔界と呼び、ある一線を境に対立している。
そのある一線は、人間の対悪魔砦でもある、聖国:ヌゴラス。
聖なる力を持って悪魔を抑えているというのに、一々障壁を展開させなければならない程のブリザードが吹けば、反撃すらできないだろう。
しかし、疑問がある。
「でも、お前は悪魔なんじゃないのか?」
「私を他のといっしょにしないで。
私は海神獣を従える、神の子なの。悪魔なんかに捕まってたまるもんですか」
「…じゃあ悪魔で例えんなよ」
悪魔だと思ったじゃねえか。
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