卓球は醍醐味なのだよ

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「わんちゃん。わんちゃんの肌スベスベ~。羨ましいわぁ」 「権蔵の肌の方がきめ細やかで綺麗だよ」 「いやんっ、天然でサラリと言ってくれちゃってぇ~」 先に体を洗っていた権蔵の隣に行くと、肌を撫でられてしまった。 権蔵の方が、男性用なのに一瞬見間違えそうになるような風貌だけれどねぇ。まぁ、近付いたらしっかりとした体格をしているけれど。 「栞」 「わっ、と……ケンちゃん、裸で抱き着かないでくれないかい。端から見なくとも暑苦しいのだよ」 後ろからケンちゃんが抱き着いて来てしまって、いつもより密着して気分が悪くなるよね。 いくらケンちゃんでも、この状態ではあまり密着されたくない。 「栞の滑らかな肌を、他人に晒すなんて俺には耐え切れないが、それ以上に栞に欲情している。ここで目茶苦茶に犯したい」 「とんだ危険人物だねぇ」 「温泉はリーダーを更に大胆にさせるのねん」 「栞……」 「んっ、……何をする、のかな」 抱き着かれたまま放置していれば、ケンちゃんは僕の首に吸い付いて、僕の体をまさぐる手を、思い切り叩いてあげた。 調子に乗らないで頂きたい。 「栞の体を隅々まで洗ってやろうか?」 「生憎と、先に玲司が予約済みなのだよ。洗い合う約束を移動中したからねぇ」 「何、だと……!?」 「リーダー、ドンマイ」 ショックを受けたらしいケンちゃんを引き剥がして玲司の近くに寄れば、早速体を洗ってくれるそうだよ。 「よろしく頼むよ」 「ん」 玲司に背を向けて腰を降ろせば、ゆっくりとした動作で背中を洗われる。 んー、気持ち良いねぇ。 「……栞、気持ち良い?」 「ん、気持ち良いよ。玲司、上手なのだね」 「……そっか」 「…………」 「……ん、何だい、晴。その意味深な視線は」 「! んでも、ねぇ」 割と近くにいた晴は眉間を寄せながらこっちを見ていた。 ? 羨ましいのだろうか。 「晴」 「……んだよ」 「おいで、洗ってあげようではないか」 「…………は?」 「背中。玲司に洗って貰っている間は暇だから、洗ってあげるから、羨ましがらずにおいで?」 「う、うう、羨ましがってねぇよ!!」 「ほら」 手を広げて待つと、顔を真っ赤にした晴は顔を逸らしながら僕の前に背を向けて座った。 いい子いい子。 では、早速洗ってあげようではないか。
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