プロローグ

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「そ、そんな…ウソだよね?ウソって言ってよ!?」 ルーファスは泣きながら必死にすがり付く。だが、カーティスは否定せずルーファスを振り払い、もはや言うべきことは無いといったとばかりに部屋から出ていこうとする 「ま、待って…待ってよ、父さんっ!お願いだから、なんでもするから……」 「これは決定事項だ。覆ることはない」 カーティスはルーファスの方を振り向きもせずに言うと、そのまま出ていった 「……なんで?眼が紅いとダメなの?僕は…禍罪の子は生きてちゃいけないの?」 ルーファスはカーティスが去った後、虚ろな目をしながら「なんで……どうして……」とうわ言のようにずっと繰り返していた ルーファスを地下に入れて約半年、カーティスはルーファスの容態が急変し死んだということをフィアットや他の貴族たちに伝え、ルーファスそっくりな人形を使い葬式を行なった この時、フィアットらに気付かれるかもしれないとヒヤヒヤしていたが、最後まで誰にもバレずに終えた 葬式が終わった後、カーティスはルーファスのもとを訪れた あれからきちんとルーファスに食事は与えられてたが、目からは生気は感じられず、窶れて見える 「今日、お前の葬式が終わった」 「……」 「…明日お前を魔の樹海に送る」 カーティスは一切の反応も見せないルーファスを一瞥し、地下から出ていった
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