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翌日、カーティスはルーファスを連れて以前儀式を行なった部屋に来ていた
儀式を行なった際には部屋の中央には2つの魔方陣が描かれていたが、今は複雑な転移用の魔方陣が1つだけ描かれている
「今からお前を魔の樹海に転移させる。ルーファス、魔方陣の上に乗りなさい」
「……」
「おい、ルーファス?」
ルーファスは魔方陣に乗るように言われるが、動く様子を見せなかった。しかし、カーティスがルーファスに呼び掛けるとルーファスの方から問いかけられた
「……ねぇ、禍罪の子は…僕はなんでいるんだ?」
それは小さな声だったが近くにいたカーティスには良く聞き取れた
「そんなこと分かるわけがないだろう?ただ、禍罪の子はいてはいけない存在なんだ」
「……そう。僕は存在していてはいけないのか…。だったら…なんで僕をすぐに殺さなかった?」
「前に言っただろう?自分の子どもを…」
「そうじゃないっ!それなら、地下に入れてから食事を与えなければいいだけじゃないか!」
「お前を…ルーファス・リスターという存在を表から消えるまでは殺す訳にはいかないからな。リスター家は5大貴族だからな、どこに耳があるかわからん。ただでさえ禍罪の子だというだけで厄介なのに、それをリスター家当主の私が殺したということを知られるわけにはいかない」
「……そうか」
カーティスからはその時の部屋が薄暗く俯いていたため、ルーファスの表情は見えなかった。
そして、ルーファスはカーティスの言葉を聞き終えると、ゆっくりと歩き魔方陣の上に乗った
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