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透き通る程美しい白髪(ハクハツ)
彼女の肌も又、髪の様に白く、雪のように美しい
璃結は声をかけるのを躊躇った なんせ、彼女は寝ていたのだから
「うー…」
(もう少しで始まっちゃうし…けどめちゃ気持ち良く寝てるみたいだしぃ…)
周りから見たら挙動不審にうろうろしている
(よ、よし、りゆ!遅刻はマズいから起こすのだ!)
意を決し、彼女のいる桜の木に近付いていく
どんどん距離が狭まって…ついに手が触れられる距離になった
「あ、あの…」
「………」
すー、すー…
微かに、寝息が聞こえる
人形のような綺麗に整った顔
髪には桜が乗っていた
…トクンッ…
璃結の胸が、ときめいた
(えっ………え、相手女の子だよ!?しかも話したことすらない!そ、それに一目惚れしちゃうなんて……嘘だぁっ💦)
心の中で自問自答
「んっ……」
彼女の目が、薄く開く
「あ、起き…」
「っ…」
「!?」
静寂が…生まれた
話したことすらない、白髪の女の子が、キスを……してきた
(え、ちょっ…えぇ…………けど、嫌じゃない私がいる……っ?)
「ん、んんっ…」
「ふぅっ…」
彼女のキスは、貪欲で、璃結の舌をまさぐり求める
(ぁ、頭が……ぼーっとするっ……溶けちゃいそ……)
「ぷはっ…」
「ふぁ……」
長い、長い接吻は終わり、彼女たちは唇を離した
てらてらした唾液の糸が迸る
数秒の静けさ…
「…ごめん、つい…」
綺麗な、小さな声
「…えぇ!?つ、ついって…そんだけでキスしたの!?し、しかもあんな…////」
彼女は頭をふるふると横に振った
「じゃ、じゃあ何?」
「貴女が美しくて…果実の様に美味しそうで……だからした。ごめんなさい」
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