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ピコ
「う…うんっ」
ー場点ー
マリア
「じゃがいも買って~
ニンジン買って~…」
ピコ
「ね、ねぇ、マリア様…っ」
マリア
「ん?なんだい?」
ピコ
「マリア様、ってすごいね」
マリア
「クスクス、どうしたんだい?突然?」
ピコ
「だって、あの二人が
ボクの事を通してくれたもの!」
マリア
「その事なんだけど
お前、あんな事されて悔しくないのかい?」
ピコ
「……それは、悔しく無いわけないんだけど…」
マリア
「けど、なんだい?」
ピコ
「………」
マリア
「うじうじすんじゃないよ女々しい奴だねぇ
男ならせめて言い返すくらいの心意気を見せてみないかい」
ピコ
「だって!
ボクにはサンタクロース様がいないんだもの!!
サンタクロース様の居ないトナカイなんて、意味が無いんだ!!
どうやって言い返せっていうのさ!!」
マリア
「………はぁ~
バカだねぇ、ピコは
ほんと、お前は愚かだよ」
ピコ
「マリア様にはわかんないよっ」
マリア
「まぁ、ききな」
ピコ
「…」
マリア
「トナカイの価値は、そのトナカイから見てとれるもんなんだ」
ピコ
「意味がわからないよ…」
マリア
「例えば、お前の身近なトナカイ………そうだねぇ
プリン!」
ピコ
「お姉ちゃん?」
マリア
「そう。
想像してごらん
あの子とお前、もし、立場が反対だとする
お前のプリンに対する見方は?
今とどうだい?」
ピコ
「…………
お姉ちゃんは、お姉ちゃんだよっ」
マリア
「だろう?
確かに、サンタクロースが居ない事によって、お前は普通のトナカイとは違う運命の中にあるだろうね
でも、だからといって、お前は決して無価値なんかじゃないんだよ」
ピコ
「そうかな…」
マリア
「もし、仮に無価値だったとして
そのまま自分を諦めてしまったらおしまいさ
価値が無いなら、価値を見出ださなきゃ」
ピコ
「どうやって?」
マリア
「それをお前が探すんだよ」
ピコ
「………」
マリア
「ワタシの残りの人生をかけて手伝うよ」
ピコ
「え?」
マリア
「隙な老人の余生、これで少しは楽しいものになるとは思わないかい?」
ピコ
「………
すごいな…」
マリア
「何かいったかい?」
ピコ
「やっぱり、マリア様って
すごいな…」
マリア
「ふふ
そうかい?」
ピコ
「うん!」
マリア
「よし!
じゃあ、そうと決まれば、まずは…」
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