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カタン、と上靴と下足を履きかえて「あ、」と声を出した。
「ん?どした?」
「葵?」
「すっかり忘れてたけど…今日、週番だ…」
「あ、そーなの。葵大変だわねー」
「棒読みだぞ、未来。」
「もー!…あ、じゃあ私、職員室行ってくるよ」
「おー、いってら」
じゃ、と軽く手を上げて2階にある職員室に向かう。
キュッと響くスリッパの音。
パタパタと上靴が走る音。
それらを聞きながら、自分も階段を昇った。
意味もなく、階段の段数を数えるのは癖だったりする。
「10…11…12…、っと。」
昇り終えて、目線を下から上にあげると。
そこにはスーツを着た、若い男の人。
「…あ、おはようございます」
直感的に先生だと思い小さく礼をして、挨拶をする。
だけど、あんな先生いたっけ?
この学校は比較的年齢が上の人が多いし、若い人でも30歳ぐらいなはず。
不思議に思い、その男性を見てみるがどうみても20代に見える。
しかも、スラリと長身で黒い縁の眼鏡がとても似合っている。
未来が好きそうなイケメン。
「ははっ、見すぎ」
「あっ、えと、すみません…」
声もイケメンだ…。
なんて、思っちゃったり。
しかも不意に見せた笑顔がなんとも好青年そのままだ。
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