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とりあえず洗面所に行けば、ボサボサな髪をした自分とご対面。
…ひどいなぁ。
歯磨きをしながらそんなことを思って。
ドライヤーのコンセントを差し込んだ。
チーン、とパンの焼ける音がしたと同時にスカートのファスナーを上げる。
ブレザーはまだ、着なくていいかな。かさ張るし。
「げ、焦がした」
どうやら、焦げ臭い気がしたのは気のせいではなかったらしい。
時間を見れば8時ちょっと前。
ああ、もう少しで行かなければ。
ブラウン管を通して、キャスターが何やら喋っているのを聞きながらトーストを一口かじった。
やっぱ、マズイ。
結局、トーストを半分台所に残してカバンを取る。
そろそろ行くかな。
あ。その前に、リビングにある写真立ての前で歩みを止めて。
「いってきます。お姉ちゃん。」
写真の中で笑っているお姉ちゃんに声をかけて、そっと家を出た。
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