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実際、あたしも過去のこの演劇部のアリスを見てアリスの役から目を話せなかった。
白いウサギを追い掛ける可愛くて幼いアリス。
帽子屋とお茶会をしている時の楽しそうなアリス。
トランプの兵に追い掛けられて必死なアリス。
どの姿も見る人を引き寄せて離さないほど素晴らしかった。
だから、あたしもこの役をしたいと思ったのだ。
それからアリスになるためにたくさん練習をした。
そして、ついにアリスの役を勝ち取った…
はずだったのに…。
あたしは拳を握りしめ、自分の足をにらんだ。
この足のせいで、あたしはアリスから降ろされた。
夢だったアリスを…。
あたしの足は…左足は…
何日か前に骨折したのだ。
いや、骨折されたのだ。
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