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そして、部活終了のチャイムが鳴り演劇部の部員や他の部の生徒も次々に帰っていく。
そんな中、あたしはみんなと違う方向に足を進めた。
それはさっきまでいた体育館のステージの上。
あの事故以来しばらくはステージの上に立ちたくはなかったが今日はなぜかステージの上に行きたくなった。
「…広いな。」
あたしはステージの上から体育館を見渡す。
こんな広い場所で、伝統のアリスを演じ、それをたくさんの人に見てもらえるのはどれだけ気分が良いことだろうか。
「……私はアリス。白いウサギを探しているの。」
あたしは小さな声で呟いた
今だけは、アリスになってもいいだろうか?
もうなれないアリスに、この一瞬だけはなってもいいだろうか?
あたしは小さな呟きから、演技へと変わっていった。
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