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「アリスを待ってたんだよー?」
「…えっ?」
あたしは後ろから帽子屋とは違う声が聞こえたので振り向いた。
そこには、猫の耳にしっぽをつけた青年がいた。
…コスプレだろうか?
あたしは訳が分からなくて呆然としていた。
「僕達は君がアリスになるのを待っていた。いや、僕達だけじゃない。不思議の国の住民全員だ。」
「みんな待ってるよー?」
帽子屋に続き青年も言った
「待って、あたしは飛鳥よ?アリスじゃない。」
あたしは2人がアリスばかり言っていたので訂正した
「?何を言っているんだ?君はアリスだ。それにアリスになりたいと思っているのだろう?」
帽子屋は不適な笑みであたしを見た。
「アリスは逆らえないよ。アリスがアリスになった時僕らは動き出すんだ。いや、世界までもがアリスのために動き出す。」
猫の様な青年は真剣な目であたしを見ていた。
「あたしが…アリス?」
あたしは驚いていた。
「そう。だから、僕らと不思議の国に戻ろうじゃないか。君はアリスなのだから。」
帽子屋はあたしに手を差し伸べた。
「あたしは…アリスになれるの?アリスになっていいの?」
あたしはフリーズしている頭の中、咄嗟に出たのはその言葉だった。
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