第1話 君はアリスなのだから。

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「アリスを待ってたんだよー?」 「…えっ?」 あたしは後ろから帽子屋とは違う声が聞こえたので振り向いた。 そこには、猫の耳にしっぽをつけた青年がいた。 …コスプレだろうか? あたしは訳が分からなくて呆然としていた。 「僕達は君がアリスになるのを待っていた。いや、僕達だけじゃない。不思議の国の住民全員だ。」 「みんな待ってるよー?」 帽子屋に続き青年も言った 「待って、あたしは飛鳥よ?アリスじゃない。」 あたしは2人がアリスばかり言っていたので訂正した 「?何を言っているんだ?君はアリスだ。それにアリスになりたいと思っているのだろう?」 帽子屋は不適な笑みであたしを見た。 「アリスは逆らえないよ。アリスがアリスになった時僕らは動き出すんだ。いや、世界までもがアリスのために動き出す。」 猫の様な青年は真剣な目であたしを見ていた。 「あたしが…アリス?」 あたしは驚いていた。 「そう。だから、僕らと不思議の国に戻ろうじゃないか。君はアリスなのだから。」 帽子屋はあたしに手を差し伸べた。 「あたしは…アリスになれるの?アリスになっていいの?」 あたしはフリーズしている頭の中、咄嗟に出たのはその言葉だった。
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