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ある日の6月。東京。
「まだ6月なのに暑いなぁ~…」
一人の少女がこの暑さに訴えてた。それもそのはず。まだ6月始めで30゚C越え。異常気象に近い。
「う~、何とかならないかな~………ん?」
フラフラになりながらも前方を直視すると5、6人の不良に絡まれてる少年が居る。
「さっきから黙ってやがってよ!なんとか言えや!!ガキ!!」
(不良だ……どうしよう?…近くには魔女はいないし……)
少女は誰か助けてくれないかキョロキョロするが全員素通り。皆は自分が怪我したくないから助けたくない。人間の本能的なモノだ。だがこの少女は意を決した。
(………よ…し…)
「あ、あの!」
「あぁ!?」
「!!(や…やっぱり怖い……けど)そ、その人!困ってると思うんですけどやめ--」
「うっせぇ!!ボケぇ!!」
(……やっぱり…)
「アニキ!この子よく見たら可愛くないっスか?」
不良の子分みたいなやつがさっきまで怒鳴り散らしてた不良に言う。
「確かに……………お前がこいつの代わりに責任をとってもらうっていうのはどうだ?」
「責任!?」
「ああ。こいつは俺達にぶつかっといて謝りもしねぇんだ。だからお前が代わり---」
「すまなかった」
「………………………………え?」
不良達は謝罪の言葉を聞き少年の方を見たら、少年が土下座をして謝罪をしていた。
「き、君……」
「すまなかっただぁ~?」
「そいつ関係ねぇやつだ。だから巻き込まないで欲しいんだ。すまなかった…」
「今更謝っても遅ぇんだよ!!」
不良が少年に蹴飛ばそうとする。
「危ない!!」
ガシッ
「!!」
「えっ!?」
少年は蹴られる寸前で足を素手で受け止めていた。
「な…何だ…こいつ」
少年はゆっくり立ち上がる。
「さっき謝った……よな?だったらおあいこのはず………だから…………ここからは………正当防衛になるはずだよな…?」
「っ!?や、やるって言うのか!?」
「ハッ!決まってるだろ……」
「ちょ、ちょっと…」
「逃げる」
『………………………………え?』
ガシッ
「えっ!」
「行くぞ!」
「えええ!?」
少年は少女の手を握り逃げ去る。
「待ちやがれ!」
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