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次の日。
何事もなかったかのように朝起きたけれど、時間割を確認して、そういえば例の化学のノートをまだ返してもらっていなかったことに気が付いた。
「玲依、おはよう。」
「潮島、おはよ。」
教室のドアを開けてすぐのところ、渡谷漣の席の近くに2人はいて、わたしに気付くとさも当然のように挨拶された。
一般人にとってはただの挨拶。
でも、麻崎香葵と渡谷漣の挨拶は特別の特別。 トリプルA級のレアもの。
当然ざわつく教室。
普段彼らに挨拶する生徒も少なくて、彼らが挨拶を返す生徒も片手で足りるほどしかいない。
「2人とも、おはよう。」
わたしが挨拶を返すと、そろってほっとしたような顔つきになった。
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