朝の挨拶は

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「玲依、昼飯、あっちで食べようぜ。」 人垣が割れた間を通ってきたのは他でもない麻崎香葵で、ドアの方には一人分とは思えない量のパンを抱えた渡谷漣が待っている。 ぽけっとしてしまって動けないわたしの代わりに、麻崎香葵は半分広げかけたお弁当箱を仕舞い直して手に持ち、わたしの手を引いてクラスメイトの輪を抜ける。 一連の流れに口を挟む人は誰もいなかった。
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