幸か不幸か

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そう、これは 嫉妬 だ。 どうしても仲間に入れないわたしの、醜い嫉妬。 パタパタパタッと背後から誰かが駆けてくる音がした。 「……っ、待ってよ、潮島。」 振り向く前に後ろから抱きしめられた。 「っちょっと!?」 「離さないよ、離したくない。…聞いて?」 耳元を、低音の澄んだ声が震わせる。 小さな息づかいまで聞こえてくるようで、心臓がばくばくと大きな鼓動を打っている。 マンガの世界じゃないんだから、こんなこと、あっていいはずがないのに。 それに、渡谷漣は麻崎香葵が好きなのに。 「何も聞けない!聞きたくないから離して!!」 前に回された手を全力でほどいてわたしは走ってその場から逃げた。
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