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◇
出て行った玲依を追いかけた漣を更に俺が追いかけて、廊下の角を曲がったところでうずくまる片割れを見つけた。
「漣、なーにしてんだよ。ほら、立てっ」
わざとらしく明るい声で正面に回り込んで漣の腕をとった。
「……ぅきが……んな……から、……」
力なく立ち上がった漣は言葉をこぼしながらだんだん語調を高める。
「香葵のせいだ、潮島に、嫌われたのは!!」
どんっと小さな拳が胸を打った。
「………漣。」
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