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訳が分からなくて頭が真っ白になっている間に、馬車は目的地に到着したのか静かに停止する。
馬車にしては新幹線並に快適だったが、敢えて突っ込まないようにしよう。
「死にたくなければ我が輩から離れぬことだ。」
そう言って、ベルは俺の腕を掴んだかと思うと馬車の外まで引っ張られた。
その瞬間…-
バサバサバサッ
『ギャギャーギャー』
『ギュッギェー!』
「うわあああああっ!何だコレ!?」
目の前におびただしい程の数の何かが飛んでいた。
全長十センチ程度で全身紫色だ。コウモリのような外見をしているが、コウモリよりも腹が異様に膨れている。
さらに、円らな瞳とオメガのような口元(ω)が可愛らしくマスコットのようなのだが、口に収まりきらない大きな牙が鋭利に尖っていた。
………つまり化け物だ!!!!!
もう嫌や!帰りたい!
「地獄吸血コウモリだ。外ではこいつらがいつもはびこっている。」
俺が怯えていると、ベルがそれとなく解説してくれた。
「人間一体分の血がやつら一匹一食分の量になる。」
ぎゃあああ貧血どころじゃなくて死ぬーーー!!!!!!??
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