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しかし、妙だな。
かなり何匹もいる地獄吸血コウモリは俺たちには一匹も目もくれず、俺たちが進んでも特に攻撃もしてこなかった。
……そうか、これが伯爵様のお力か。
「ベル様が結界みたいなの張っているんですか。」
言うと、ベルは鼻で笑う。
「結界など張る必要はない。我が輩は強いからな。雑魚共はそれを本能的に感じ取り、襲って来ない…いや襲って来れないのだ。」
しかし、とベルは俺の鼻をつついた。
「貴様が一人で外に出歩こうものなら、骨も残らないだろう。」
ニヤリと笑う。
俺顔色真っ青。
チクショー願わくば逃げられたら逃げようと思ってたのにこれで退路が絶たれた。
大量の地獄吸血コウモリが飛び交う先にベルの館は現れた。
悠然とそびえ立つ大きな建物。
いくつか塔が立ち、それを囲むように背の高い冊がある。
……想像してた通りの"洋館"だ。
「お帰りニャさいませー!」
「お帰りニャさいませぇー!」
「ご主人様!!」
うわ、うわわ。
スーツ着た猫が二足歩行で出迎えとる。
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