地獄来ちゃいました

10/10
前へ
/88ページ
次へ
「ああ、今帰った。変わりないか?」 綺麗に二列並んだ猫の間を歩きながら尋ねる。 「変わりニャいであります!」 「あ…サラマンダーのアホが盗品を…」 「ばっ、馬鹿!余計なことは言わニャくていい…!」 ベルの眉がピクリと動いた。 「サラマンダーが…?まぁいい、あとで話を聞かせてもらおうか。」 「ニャー…面目ないであります。ところで、そちらの方は?」 ロシアンブルーのような毛並みの猫がひょっこり俺を見る。 ………きゃわゆい。 「これは"幸運の力"であり、新しい使用人だ。」 「左様でございますか!おい使用人、キャットフードは食べるニャよ?」 誰が食うか!! 「ミヤ。さっさと行くぞ。」 扉が開き、新しく名付けられた名前を呼ばれた。 ここから俺の使用人人生がスタートしたのであった…- 「ああ…帰りてー。」
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1830人が本棚に入れています
本棚に追加