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『幸運に決まっているだろう。命があるだけ、人は幸せなのだ。』
「!!!!?」
だだだ誰だ!?
俺は自分の部屋で考え事に耽っていた訳だが、俺の部屋に他人など呼んだ覚えはない。
しかも、聞いたことのない男の声だった。
そして驚くべきは俺の心を見透かされたということ。
「誰だ!?で、出てこい!」
これでも陸上部だったんだぞ!高校二年になった今はもう辞めたが。
つか陸上部って逃げることしかできない系?
俺が頼りない布団たたきの棒を握り締めて構えていると、再び聞き慣れない男の声。
『フフ、貴様の目の前にいるぞ。』
えっ!?どこ?
俺の目の前には、妹から貰ったクマのぬいぐるみしかないんだが…
まさか、目に見えないユーレイさんか!?
『やれ、鈍い人間だ。ほら、ここだここ。』
俺が目を凝らしていると、突然目の前のクマのぬいぐるみが動いた!
ヒェェェ怪奇現象!?
「ぎゃあああ呪いだぁぁぁ!!!!」
とにかく叫びまくった。いきなり目の前に非現実的な事が起こり、もうパニック状態だ。
そんな俺を見たクマのぬいぐるみはため息を吐いた。
『うるさい虫だ…殺すか。』
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