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取っ手が羊の角のような形になっている、重厚な大きな扉をみつけた。
しばらく使っていないのだろうか、埃が溜まっている。
好奇心が疼くぞ。
どうしよう、開けていいかな?いいのかな?
『それは、何百年と閉ざされた扉。』
「うわぁぁああビックリした!だ、誰ですか!どこ?」
俺は周りを見回すが、誰もいない。
『見えないか。ではその百目蛇のウロコを通して、僕を見ればいい。』
言われた通り、廊下に巻きついた百目蛇のウロコを覗くと、金髪の優しそうな美青年が俺のすぐ後ろに映っていた。
「わぁーカッコイイ。……はっ!す、すみません。」
何率直な感想をそのまま述べてんだ俺。
ウロコに移る彼は、楽しそうに笑った。
『ふふ、構わないよ。僕は透明人間の"レム"。君が新しい使用人さん?』
「は、はい。ミヤといいます。」
『よろしくね。』
こんなにイケメンなのに見えないのか。
もったいない。
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