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ヤタと名乗る男は羽を広げて俺の前まで降り立った。
「君が新入りの使用人だな?聞けば幸運の力があるとか…」
長い人差し指で、俺の顎をつ…と撫でる。
うわ気持ち悪いな。
「はぁ。幸運とかよく分からないんですけどね。来たばっかりだし。」
「そうだろうとも!だから、分からないことがあれば私にどんどん聞きたまえ!」
イイ笑顔で言う。
何だ、良い人…
「ところでその銀の首輪良いな。ハァハァ。高そうだな。ハァハァ。綺麗だ…」
…でもなさそうだな。
目がヤバい。
「よければ、私のお宝と交換しないかい?私は綺麗なモノに目が無くてね。」
「ごめんなさい、あげたいのは山々なんですけど…。これ、ベル伯爵様につけられたものなんです。」
「何っ。するとこれはベル様から…。そうか…残念だ。」
本当に残念そうな顔で再びカラスに変身した。
綺麗なモノ→光るモノが好き
なんだかカラスはカラスなんだなと思ってしまった。
失礼だが。
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