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★四階"王の回廊"★
四階に上がった途端、俺は驚きすぎてひっくり返るかと思った。
『シェァアアア…』
ものすごく大きな頭の蛇が、赤い舌をちらつかせながらこちらを睨んでいるのだから。
コバルトブルーの瞳をもつ巨大な蛇。
百目蛇だとすぐに気づくことができた。
「あ…二階ではゴメンよ。くすぐったかったんだよね?」
ずっと体だけ見てきたけどようやく頭まで辿り着くことができた。
どうやらこれ以上、上はないらしい。
最上階となる四階には王(キング)の駒が廊下に置いてあった。
「…あれ?」
だとしたら、腑に落ちないことが一つ。
女王(クイーン)の駒はいったいどこだ?
チェスの駒が一個足りないなんて、そんな中途半端な終わりではないはずだ。
しかもクイーンは駒の中で最強の駒。
何故、見つからないのだろう。
「来たか。」
聞き慣れた声が、前方から聞こえた。
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