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ベル伯爵が腕組みをしながら部屋の前で立っていた。
「遅かったな。掃除ついでに、城の探検でもしてきたか?」
「はい。あの、だいたい全部回ったと思うんですけど…。クイーンの駒はどこですか?」
疑問に思ったことをそのまま述べただけなのに、ベルに盛大に笑われた。
「はっ!クイーンの駒はどことな?…ミヤ、お前にクイーンを探すことは不可能だ。」
きっぱりと断言された。
「どうしてですか?」
「クイーンはある特定の者しか通ることを許されていないのだ。」
……そうか。
よくわからないけど、なんかセキュリティーでもかけられた状態なわけだな。
考え事をしていると、見えない鎖で首を引っ張られた。
「痛!」
グギッてなったよ首がグギッて。
「ちょちょ!引っ張んないで下さいよ!!」
「ふはは。もっと嫌がるが良い。ついでに泣き叫べ。」
ダメだこのドS伯爵に抗議の言葉は無意味だ。
百目蛇の後ろの扉に、ベルの部屋はあった。
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