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見た目とは正反対の物騒なことを呟いたクマのぬいぐるみは、足元から何かを取り出した。
それは、俺の机に立て掛けていたはずのカッターだった。
って危ねええええ!!!!!
「うわわわわやめろ馬鹿おいっ!おま、何をするつもりだ!」
『愚問だ…。貴様を殺す。』
ぎゃあああ可愛いクマたんのぬいぐるみに刺し殺されるなんてシャレになんねー!!
俺はとにかく部屋の襖に背中を預けるように後退した。
クマのぬいぐるみはというと、ファンシーな見た目からどす黒いオーラが放たれ、片手にカッターを持ちゆっくり歩み寄るというかなりホラーなことになっている。
誰カ助ケテー!!
俺が恐怖で固まっているうちについにクマのぬいぐるみは俺に向かってカッターを振り上げた。
その時、背後でミシミシと音がしたかと思うと、俺の背後にある襖が音を立てて外れた。
「ぎゃああああ!!」
襖に寄りかかっていた俺は見事に後ろにぶっ倒れ、クマのぬいぐるみは俺がいたはずの場所にカッターをぶっ刺していた。
か、間一髪…?
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