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「自分付き合ってる奴と別れるか悩んでるんだよね」
酔っ払って私の肩に顎を乗せ至近距離でこちらを見詰めながらぽつりと呟くれんさん。
れんさんの恋人ってどんな人なんだろなー…
隣のれんさんにぼーっと視線を遣る。
私より身長は10cm以上高いし、多分170くらいあるだろう。
片面を刈り上げ襟足だけを伸ばした髪も白に近い金色で、眉と唇、よく見たら舌にもピアスを開けている。
腕を捲り上げているせいで腕に描かれた鳳凰の入れ墨も見える。
ライブが終わり化粧を落としたせいか眉毛しか描いてないスッピンの顔でも綺麗、と言われる顔面。
何度見ても見た目は厳つい。
きっと、相当なイケメンでないと彼女の隣に立っても彼女の方がイケメンで男らしいのだろう。
「何かあったんすか?」
彼女の髪をさっき迄のお返し、と言いたげに撫でる。
「最近連絡しねぇだけで『浮気してるでしょ』キャンキャン吠えられる」
女々しい男だなー…
そんな女々しい男も居るもんかと思わずポカンとしてしまう。
それに気付いたらしく、軽く笑い耳元でれんさんが囁いて来た。
「"俺"、付き合ってんの女の子。」
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