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煙草の煙が充満して、ほんのりと明るさを保つ狭い室内が余計ぼやけて見える。
人の入りも、まだまばら。
「どのバンドもツマらんなー…」
もう何度もお世話になっているライブハウス。
スタッフさんや一緒にライブを盛り上げるべき他のバンドマンにバレない様に呟いた。
自分達だけ盛り上がってるバンドも、誰目当てで来たのか分からないシラけた客も、そしてただ傍観している自分も。
全てがツマらない。
ふと時計を見れば、自分の出演順番迄はまだ時間がある。
煙たい空間から抜け出したくて、私はライブハウスの重いドアを開けた。
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