Ⅱ 毒薬

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意識を失いかけて朦朧としている私に、彼女はマウストゥマウスで人工呼吸をしてくれた。 唇を切ったのか、薄っすらと血の味がしたのを覚えている。 あとで調べても、私の口には傷が見つからなかったから、あれは彼女の血だったのだろう。 彼女の血は、どこか懐かしい味がした。 彼女に助けられなければ、私は今生きていないし、二度と泳ぐ事も無かっただろう。
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