Ⅱ 毒薬

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「私はどっちにもなれない。 永遠に自分の子供を見ることはないんです」 俯いて下を向くと、涙が、膝に置いた自分の手の甲に落ちるのが見えた。 「奇遇ね。私もよ」 「………嘘」 顔を上げ、彼女を見た。 「いいえ。本当の事よ」 彼女は諦めたような笑みを浮かべていた。
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