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「自分で選びなさい」
彼女の囁きが、私の耳朶を優しく揺らす。
彼女の長い髪が私の頬を撫ぜる。
さらさらと、さらさらと。
「此の侭、私に搾り尽くされて息絶えるのと、永遠の命を手に入れるのと、どっちがいい?」
彼女の声は耳に入ってはいたが、言葉は意味を為さなかった。
「貴女の、思う侭に」
気付いたら、私は彼女を抱きしめて、そう告げていた。
此の侭、貴女の糧となっても
貴女の仲間となっても。
貴女が、それを欲するなら、私は受け入れる。
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