ブランデー

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ピンクの花は小さく、可愛らしかった。それがたくさんあるので紫陽花のような花束。 それがガルたちには突きつけられていた。 あまりにも急だったので戸惑う。 「いや、あの……おれ?」 ガルが聞くと女仕二人は何度も首を縦に振った。 なんとも可愛らしい姿なのだが炎零には関係ないらしく、 「悪いな。……気持ちだけもらっておく」 それに続きガルも断った。優しく微笑んで断ったことに満足したのか女仕二人は引き返した。 その姿が見えなくなった頃、ガルと炎零は目を合わせる。 「ブランデーとは酒ではなかったのか?」 「誰がいつどこでそう言いましたか」 とにかく二人はリバティとリラを探しにまた足を進めた。 そして長い長い廊下を歩いていてあることに気付く。 誰とも、すれ違わないのだ。 何回か女仕たちに花を受け取ってほしい、と引き止められたがそれ以外、騎士に抜かされることはあっても 騎士とはすれ違わなかった。
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