25人が本棚に入れています
本棚に追加
ピンクの花は小さく、可愛らしかった。それがたくさんあるので紫陽花のような花束。
それがガルたちには突きつけられていた。
あまりにも急だったので戸惑う。
「いや、あの……おれ?」
ガルが聞くと女仕二人は何度も首を縦に振った。
なんとも可愛らしい姿なのだが炎零には関係ないらしく、
「悪いな。……気持ちだけもらっておく」
それに続きガルも断った。優しく微笑んで断ったことに満足したのか女仕二人は引き返した。
その姿が見えなくなった頃、ガルと炎零は目を合わせる。
「ブランデーとは酒ではなかったのか?」
「誰がいつどこでそう言いましたか」
とにかく二人はリバティとリラを探しにまた足を進めた。
そして長い長い廊下を歩いていてあることに気付く。
誰とも、すれ違わないのだ。
何回か女仕たちに花を受け取ってほしい、と引き止められたがそれ以外、騎士に抜かされることはあっても
騎士とはすれ違わなかった。
最初のコメントを投稿しよう!