相変わらずな奴ら。

2/12
前へ
/168ページ
次へ
時は一月後の冬。 ハードリア城内は騒がしかった。 中のざわめきが城の外にも聞こえるぐらいだ。 中で何が起こっているかというと、ハードリア隊長式という各隊長の入れ替わりが発表される式。 ハードリアにはいくつかの部隊があるのだ。 城内の者達は国王以外、誰が選ばれているか知らされていない。 この騒々しさはそのためだ。 「静粛に!!」 壁一面ガラス窓の巨大な広間に国王の声が響いた。 広間の前には少し高めの台があり、周りには騎士団がぎゅうぎゅう詰めで並んでいた。寒いのでこれは好都合だ。 広間の中は一瞬にして静まり返る。 「早速だが、発表に入る」 しわがれた声が響く。 国王はかなり年老いている。白く長い髭、赤いローブに赤の宝石が散りばめられている王冠。 存在感が十分ある。
/168ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加