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その子は竹刀をかたしに行くと
モップとバケツをもってやってきた。
バケツにモップをつけて
ゴシゴシと掃除を始める。
しばらく、その様子を見ていると
顔をこちらに向けた。
そして、雑巾をこっちに向けて投げてきた!
「曲者~~!!」
「わーっ!!!」
「ギャッ!」
こちらに向けて投げられた
雑巾は頭上を通り過ぎ
第三者の声が上がったかと思うと
次は盛大に尻餅をつく音がした。
「うわーマルやんが信乃にやられたー!」
「信乃の男女ー!」
「マルやん汚ねぇ!エンガチョー」
「くそぉ~!!覚えてろよ信乃!ぜってぇ泣かしてやる!」
…さっきまで自分がいた場所から
数人の子供の声がする。
もし、塀の中に降りていなかったら
雑巾は自分に命中していたかと思うと
ゾッとする。
「勝負ならいつでも受けてやる」
少女らしからぬ物言いに本当に女かと疑ったが
顔は可愛い。
黙って座ってれば人形のように。
塀の外が静になるころ
少女は今度は確実に俺に向かって問うてきた。
「で、お前はなんだ?」
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